


REPORT取り組みレポート
兵庫県神戸市須磨区
須磨沖周辺海域における
藻場モニタリング
海洋環境の保護活動に取り組む一般社団法人Suma豊かな海ネットワークと連携し、神戸市須磨海岸沖でのブルーカーボン活動の協業を開始しました。当社は海中の様子を「見える化」する技術を活用することで、須磨沖の海洋環境や藻場の育成状況を継続的にモニタリング・分析します。

- 実施日
- 2025年11月~現在
協業開始・機器提供による継続観測 - 場所
- 兵庫県神戸市須磨区・須磨海岸沖
- パートナー
- 一般社団法人
Suma豊かな海ネットワーク

取り組みの背景
須磨海岸は、海水浴場や漁場として多面的に利用されてきた地域です。海岸の遠浅化や沖合の漁礁整備により、砂地や人工岩礁など多様な生物の生息環境が形成されており、これまでもワカメ養殖やアマモの植栽などを通じて藻場づくりが進められてきました。
藻場の育成やブルーカーボンの創出を推進するためには、海中で起きている変化を継続的に把握することが重要です。そこで本取り組みでは、地元漁業者が持つ海の知見と、古野電気が培ってきた魚群探知機や超音波センシング技術を組み合わせることで、藻場の分布や生育状況を可視化し、科学的な知見に基づく豊かな海づくりを支援しています。
取り組み内容
本取り組みでは、同団体へ魚群探知機を提供し、超音波による海中の「見える化」技術を活用して、須磨沖の海洋環境や藻場の生育状況を継続的にモニタリングしています。現場の漁業者が持つ経験や知見と当社の技術を融合することで、海洋環境の変化や藻場の成長状況を把握し、データに基づいた豊かな海づくりに役立てています。
また、海域調査に加え、地域住民、地域団体、地元漁業者が交流するイベント「Suma豊かな海フェスタ」への参加を通じて、地域の経済・文化・人のつながりを育み、地域活性化にも貢献しています。
観測から見えてきたこと
須磨周辺海域では、実証実験の初期段階において、当社の実験船を使用した海域調査を実施しました。その結果、須磨防波堤南側付近に設置された投石礁と、その周辺に繁茂する海藻類を確認することができました。
その後も同海域において、当社の新たなセンシング技術を活用した観測を継続して実施しており、藻場の分布状況をより効率的に把握するための検証を進めています。
また、漁業者による通常操業時の航行データを活用したモニタリングも継続して実施しています。その結果、航行範囲内の複数箇所で海藻の繁茂が確認されました。今後は、地元漁業者の知見や既存の調査データと比較・分析を行いながら、藻場の分布特性や生育環境の把握を進め、今後の藻場保全活動に活用していきます。
現場の声


一般社団法人Suma豊かな海ネットワーク 代表理事若林 良
須磨の海は、地域の人々にとって憩いの場であり、漁業者にとっては大切な暮らしの場でもあります。私たちは、この豊かな海を次の世代にも誇れる形で残していきたい―そんな想いで活動を続けています。このたび、FURUNOさんが私たちの仲間に加わりました。長年、海と向き合ってきたFURUNOさんの力をお借りしながら、海の中の小さな変化を見守る新しい仕組みづくりに取り組んで行きます。
例えば、海水温の変化や、海藻の生育状況や分布を見える形にすることで、これまで気づけなかった海の“声”を感じ取れるようになります。地元の想いと海をよく知る技術が手を取り合うことで、須磨の海はもっと豊かで、未来につながる場所へと育っていきます。私たちはこれからも、人と海とが共に生きる未来を目指して、一歩ずつ歩んでいきます。
古野電気株式会社 専務執行役員 兼 CMO 矮松 一磨
当社は、長年にわたり海と向き合い、航海の安全や漁業の効率化を支えてきました。今回の取り組みは、海への貢献を目的とする「海を未来にプロジェクト」の一環として行うもので、これまで培ってきた技術を「未来の海を創る」という新たな目的に活かす挑戦でもあります。
藻場の育成やブルーカーボンの促進には、目に見えにくい海の変化を捉えることが求められます。だからこそ、私たちの“見えないものを見る”技術が役立つと信じています。現場の声に耳を傾けながら、持続可能な海の未来を築く一助となれば幸いです。